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第3章 再会トラップ

「……あぁ。
２ヶ月後の９月頭まで、日本に滞在するってことだ」


驚きも動揺も見せず、彼は私の質問にさらりと答えた。

モスグリーンのYシャツに、さっき緩めていたドット柄のカジュアルタイ。
襟元に右手を運びながら、その男が私に視線を向けてきたけど


……第１ボタンを外す、指の動きが妙に綺麗で

やばい。
目が離せない。



「自己紹介、こんなもんでいいよな。
喉渇いてんだよ」

「………」

「グラス空いてるけど、“ お前も ” まだ飲めるだろ？」

「………！！」



当時と同じ命令口調の呼び方を、普通に言ったもんだから
並びの友達全員、ギョッとした顔で私に注目する。


この男と一緒にうちに遊びに来ていたであろう、当時を知る３人も
完全に思い出したようで、再び全員が固まった。