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第6章 心騒ぐ時

あれ…

……なんで？

嬉しくないのかな…

戸惑いや不安から焦りに変わっていく姫紗の心。出来ないと繰り返す秋人…姫紗がそのまま考えていると秋人の口は開く。

「相手が…彼女って言うのが問題なわけで」
「そうなんですか？」
「俺の元カノだ」

…

……

モ・ト・…カノ…？

姫紗の頭は真っ白になった。そんな話耳にしたことはあっても噂レベルのことだと思っていた。しかし今目の前にいるのはねつ造を繰り返す雑誌記者でもない…噂を楽しむアンチでもない。秋人本人だ…その人の口から出た言葉……心がざわついて息さえも吐けなくなるほどの感覚に姫紗は一気に落とされた。