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第10章 変わる距離

「ありがとうございます…宜しくお願いいたします。」

そうして電話は切れた。はぁっとため息を吐いて姫紗は秋人に笑いかけた。

「やっぱりあるみたいです。すみません…」
「いや。いいんだけど…稜の所には行っててうちに連絡ないって…」
「すみません…もしかしたら私間違って消しちゃったかもしれないです。済みません！」

そういい頭を下げる。そんな姫紗の頭を撫でた秋人は頭上から声を投げかけた。

「大丈夫だ。心配しないで良い。ただなんかおかしいな…」
「……ハルさん…」
「姫、またなんか解ったら教えてな？」
「はい……」

そう答えて姫紗は草間からのメールを待った。