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ドラスティックな恋をして
第11章 潮時・・

・・もしもし・・

「もしもし、仁美?遅い時間にごめんね。今帰ってきて、留守電聞いたわ。
 どうしたの?」

弾んだ声の依子に対して、仁美は淀んだ声を出した。

・・ねぇ、依子今日どこ行ってたの?・・

「どうしたの?急に?」

・・もしかして銀座?・・

ドキッとした。
心臓が飛び跳ねたんじゃないかと思うくらい、大きく鼓動を打った。

・・私、銀座であんたにそっくりな人、見たんだよね。
  素敵な男性とぴったりくっついている、あんたにそっくりな人。
  まさか、依子じゃあないよね?違うよね?・・


やはり、見られていた。
仁美があの人ごみの中にいて、私達の姿を偶然見かけたんだ。

多分、取り繕っても無駄だろう。
他人のそら似だとか人違いだとか、言っても嘘だと、
嘘をついているとかえって怒らせてしまう事は想像がつく。
依子はゆらゆらとした息を吐きながら、
一呼吸おいて、ごめん、と呟いた。

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