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ドラスティックな恋をして
第11章 潮時・・
・・やっぱりそうなの。ね、誰なの?あの人。
  あの様子じゃあ、あんたたち・・ねぇなんで?いつから?
  あれほど言ったじゃない、ハメ外すなって。ねえ誰なのよ!・・

語尾はほとんど叫びに近かった。
仁美の動揺が受話器の向こうの息づかいから伝わってくる。
それを聞いた依子の息も、乱れた。


一人暮らしを始めて間もない頃、仁美と銀座でランチをした時
自分の元同僚の話を持ち出して注意されたじゃないか。
羽目を外すなって。
それをその場では笑い飛ばした。
頭の片隅に思い当たる出来事がすでにあったけど、
そんなことあるわけないと笑い飛ばした。

その忠告もむなしく、道を踏み外していた親友に、
今仁美はどんな気持ちでいるか・・

・・あの人の事・・好きなの?・・

仁美の声が耳に戻ってきた。
怒りを押し殺して穏やかさを装っている親友に、
依子は正直に答えた。

好きだ、と。

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