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ドラスティックな恋をして
第3章 一人、想う・・
「不倫よ、不倫!ご主人が単身赴任に出てすぐよ、なんだかねぇ」

「はぁ・・そうなの・・でもその人、私達より若いんでしょう?」

不倫相手に選ぶなら、まずは若い方からあたりをつけるのだろうと思ったのだが、
仁美は大げさに顏の前で手を振って見せた。

「なにいってんの、私達より年上よ!」

「えー?一体幾つなのよ?」

「聞いて驚くなよぉ、53歳なんだよぉ!」

「うっそ!マジで?」

「マジよ!なんかね、お子さんも結婚して自分の役目はみ~んな終わったんだから、
 好きな事やったっていいわよねぇなんて、ハジケちゃったみたい。
 もう一度くらいドラスティックな恋をしてみたくてさぁ、だって!」

「ドラスティック?って?」

「あ~、うーんと・・なんだっけ?
 あ、そうだ、私もスマホデビューしたのよ、これで調べりゃいいんでしょ、ね」

バッグの中から取り出して自慢げに依子の前に掲げる。
スマホカバーとやらは香水の瓶の形をしていた。

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