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ドラスティックな恋をして
第5章 懐かしさの理由


日曜の、空いた電車の中から見えた夕暮れの空を眺めながら、
懐かしさの理由にやっとたどり着いた。

そうだ、相原だ。
アイツに似てるんだ・・

それに気づいた時、窓ガラスに映る自分の顔が、少しニヤけて見えた。



相原つとむ。
高校3年の時、同じクラスだった。

相原とは寄れば触れば口を尖らせ言い合いをした。
そのどれもがつまらない些細な事。
制服の着こなしだとか先生につけたあだ名だとか、
自分が好きな人気歌手にケチをつけられたとか。

なにかにつけて相原は、いちゃもんをつけてきた。
だが、会話はロクなもんじゃなかったけど、
クラスの男子の中でいちばんしゃべった相手だった。


卒業式が終わって、みんなでボーリングをしに行った時、
別の男子がこっそりと耳打ちしてきた。

相原はおまえのこと好きだったらしいぞって。なんだ、そうだったのか・・


結局相原とはそれっきり何もなかったので、
青春の思い出の片隅にかすかに存在する程度だったのだろう。
今、久しぶりに思い出したくらいだから。

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