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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔


「フフ、そう強がらないでください。先輩がいつも10センチ近いヒールで脚を酷使しているのも、もしかして強がりなんですか?」

「ぇ…」

「前から気になっていたんですよね」


先ほど取り上げたパンプスを横目で示しながら言われた言葉に、私はポカンと口を開けて返した。

間抜けた顔を彼に数秒さらした後

慌てて口を引き結ぶ。


「強が り…? なんのこと?」

「勝手な僕の想像ですけど…──ああ、少しだけ待っていてもらえますか?」

「あ! 葉川く…っ」


強がり、と言われた訳を私が理解するより先に、葉川くんが立ち上がった。

そして脱がしたパンプスを持ってそのまま店を回り始めた。

裸足の私はソファーから離れるわけにいかなくなり、まんまとこの場に縫い付けられる。



──



「いらっしゃいませ、お客様」


代わりに現れた店員に、座ったまま頭を下げる。

私は靴を買うつもりなんてないのだから、若干の気まずさがあった。


「ごめんなさい。購入までは考えていなくて…」

「ご試着だけでもどうぞ。お連れの男性が選んでくれているようですし、私どもはカウンターの方におりますね。何かありましたらお声かけください」


メガネを買ったときの若い店員と比べて、ここの店員は落ち着いていて品がある。

二人の邪魔はしませんよとでも言いたげに、早々に私から離れていった。


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