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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔

それにしても葉川くんの行きつけだというこの店、大人びた彼によく似合うチョイスだった。

店は小さいけれど、老舗ならではの格式があり、たとえ執事が歩いていようとも違和感ない。

そして、モーニングメニューはトーストかサンドイッチの2択のみという潔さ。

私たちは二人ともトーストを選び、飲み物は…

「…マンデリンを」

「僕はモカでお願いします」

好みの珈琲を頼んで、注文完了。

珈琲は種類が豊富で選ぶのに時間がかかった。


「先輩は苦味のあるほうがお好きなんですか」

「…どちらかといえばね。君はいつもモカなの?モカは酸味が強くて飲みにくいって聞くけど」

「モカは下手なところで飲めば酸っぱくて美味しくないですね。でもここのは酸味が少ないですし、すっきりとした甘味が癖になります」

「へぇ…」


こだわりの少ない私には、流暢( リュウチョウ )に珈琲の味を語る彼にたいした返事をしてあげられない。

まぁ確かに、焙煎に自信のある喫茶店はモカをオススメにするという話を、聞いたことがあるような。



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