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第6章 人妻

流石に部屋に転移するわけにもいかず、向い合わせのソファと、その間にテーブルが置いてあるだけの簡単な客間を創った。


「どうぞお座りください。」


リリィを隣に、クロードさんを向かい側に腰かけてもらい、タブレット端末を出す。

「ここは君の空間？」

「そうです。他に良い場所も思い付かなかったので勝手に転移してしまいました。まぁ、ちょっと外の様子を見てみましょうか。」


タブレットに手を置き、スイッチを入れる。
すると、先程まで怪我をしていた人達が執務室に殺到していた。


『あの人は誰なんですか！？』

『領主様が連れてこられたんです！サハルさんなら知ってるでしょ！？』

『お願いです！お礼を言わせてください！』


あー・・・。


「…なんか、スミマセン。」

「やっぱりこうなったかぁ。後でサハルからグチグチ言われそうだなぁ。」

「でも、どうしましょうシェン様。まだ重症の方は診てないのにこの騒ぎでは…」


何か良い方法ですか…。


「結界ぐらいしか思い付きませんねぇ。」

「そうですね。それが一番無難かもしれません。」

「えっ？君、結界もはれるの？それなら、条件設定の結界も出来るのかい？」

「野次馬の人は入れないとかに設定しますか？
色々出来ますよ。」