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第6章 人妻

「アハハ！良いねそれ！
じゃあ野次馬根性の人間と、治療を妨げるような行為をしようとした人はその場から転移させられるっていうのは？」

「わかりました。野次馬は建物への侵入拒否にして、もしも妨害行動を起こそうとした場合は…安全な場所で小一時間眠っていただきましょうか。」

「病人の治療をするだけなのに、妨害なんておきるのでしょうか？」


信じられない…といった様子でリリィが質問をしてきた。


「まぁ、平常時なら問題はないのかもしれ
ないけどね。この街は復興が進んでるとはいえ被災地さ。誰だって心が荒んでいてもおかしくない状況にこんなすごい人が現れたんだ。
心酔するか嫉妬するか…。その人がどう思うか……それは僕たちにもわからないんだよ。」

「つまり、嫉妬による妨害行動が起こったときの保険…というところですかね。」

「なるほど…。心は誰にも見えないですものね。」


サハルの心は覗いちゃいましたけどね。


「ではクロードさん、重症患者がいるプレハブを思い浮かべながらこの画面に触れてもらえますか？」

「うん？こうかな？」


クロードさんが画面に手をあてると、人が慌ただしく動く建物の中が写し出された。