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第6章 人妻

『先生！急に叫び声をあげて痙攣し始めました‼』

『直ぐ行く‼嘔吐があるかもしれないから体ごと横に向けて置いてくれ！』


一人の患者の容態が急変したようで、医者が血相を変えて治療に当たっているが、何やら検討違いな事をしているように見える。


「ふむ。魔法に頼りすぎていて、人間の体の造りに精通していないようですね。
容態が思わしくないので急いで治療を手伝いましょう。」


二人をソファから立たせ、肩を触り転移する。
医者や看護師の邪魔にならないように部屋の端に転移した為、誰にも気付かれ無かった。


「クロードさん。お願いします。」

「了解！任せてよ！」


容態が悪化した患者のベッドに３人とも小走りで近寄っていき、忙しく動いている医者にクロードさんから声をかけてもらう。


「ダスティン！強力な助っ人だ！治療に入ってもらうよ！」

「領主様！？えっ？その人は…」

「話は後だ！今は人命優先にしてくれ！」

「はっ、はい！」


そう言ってクロードさんは私を患者がいるベッドへ押し出した。

うん？
これは、テンカンの症状ですねぇ？
容態が変わったのではなく、持病の可能性が大きそうです。
そりゃあ心臓に一生懸命ヒール(治療魔法)かけても良くなるわけ無いですね。