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残像
第8章 サチ
一旦家に戻り、市九郎と己の蓄えを全て持ち出す。

市九郎の蓄えは驚くほど少なかった。

分配は、まず手下の分を働きに応じて取り、次に皆の飯代になる分を取りわけ、残りをほぼ等分する。
しかし、市九郎は八尋には、「お前は他より働いてんだから当たり前だ」と言い、多めに分配した。
鷺も兵衛も異論はなかった。
その必要はない、と思ったが、市九郎の「要らねぇなら置いとけ」という言葉があったから、素直に受け取った。

使うと言えば屋敷に潜入するために女の格好をする必要があったから、その白粉や紅、傷んだかもじ(つけ毛)を賄う程度。ほぼそっくり残っていた。

ところが市九郎の家の床下に残されていた銭箱はとても十年分の蓄えとは思えなかった。
市九郎はそれなりに呑み食いもしたし、サチが来るまでは廓にも行っていたからそこそこに使ってはいたのだろう。
それにしても…と思ったら、銭箱とは別に、焼酎の甕に入った銭があった。

「これは…?」

サチに聞いても知らないという。
何も書かれてはいないが、甕と銭箱、二つに分けたには何か意味があるはずだ…

そこまで考えて、もしや、と思い至った結論は、暇金だった。
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