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三人の王子の物語
第3章 シャルルの書

第一王子が妃をどう決めるか明かした時、何人かの賢い女達は彼のもとを離れた
このままロタールに仕えていても彼の玩具に終わる可能性が高い
ならばより競争率の低いところで多大な貢献をした方が良いだろう
「ねぇ、シャルル様〜。何を考えていらっしゃるの?」
しかしそうするにもある問題があった
「別に、何も」
彼は何に対しても興味を示したことがない
兄が弟から捕えた蝶を奪おうとも、弟がそれで泣こうとも、ただ見ているだけ。
もちろん−−−王位に関しても。
「知らん間に随分と女が増えたな。兄上に気付かれないのか」
「あの方は仕える女の顔なんていちいち覚えてませんわ」
ふーん、と大して興味もなさそうにシャルルは窓の外に視線を戻した
“第二王子は少しおかしい”
彼は宮廷の間でそう囁かれていた
彫刻のような美しい顔に、同じように変わらない表情
その瞳は常に宙を彷徨い、唇からはため息が零れる
だが逆にその憂いた様子が女性の心を掴むこともあるのだった
「シャルル様、私一生懸命ご奉仕致します。だから是非私を貴方様の妻に……」
「まぁ、あなたみたいな欲深い女が国母になれるとお思い?」

