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三人の王子の物語
第3章 シャルルの書

ロタールの周りほどではないが、ここでも女達の間に火花が飛び散る
「ああ、お前を妃にしてやることは出来ない」
その言葉に勝ち誇った顔をする女
しかしその優越感はすぐに崩れ落ちた
「私は王になるつもりがないからな」
焦った女達は今度は協力してシャルルを説得しにかかる
「そんな! シャルル様なら絶対立派な王様になれますわ!」
「何故自らチャンスを捨てようとなさいますの!?」
口々に言われ、シャルルはいつものように小さくため息をついた
「そんなものに興味はない。兄でも弟でも、なりたい奴がなれば良い」
「ロタール様は駄目よ! きっと国が荒れますわ!」
「弟君だって、きっと兄であるシャルル様にお譲りになるはずです!」
王子は窓から目を離すと、表情を変えないままに首を傾げた
「何故そんなに王妃になりたがる? 権力になんの意味があるというのだ?」
「そ、それは……」
黙ってしまう女達
「私をその気にさせたいならばもう少し考えるんだな。煩くて適わない」
その時、ある女が前へと進み出た
「シャルル様、私を抱いて下さいますか?」

