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三人の王子の物語
第4章 ルートヴィヒの書



第一王子にも第二王子にも希望を見出だせなかった女達のうち僅か二、三人ほどが第三王子のもとを訪れたが、それもほどんどダメ元であった

彼が王になることはまずないだろう

それは彼が第三王子であるからではない



「ルートヴィヒ様、せめてお部屋に入れて頂けませんか?」

「申し訳ないが……君たちの目的は分かっているし、私はそれに応えることが出来ない」



ドア越しに柔らかく誘いを一蹴し、部屋の奥で待つマリアの許へと戻った



「よろしいのですか……?」



彼女は他の女達とは違いかなり控え目な様子



「何が?」



マリアの隣に座りながら、王子は優しく尋ねる



「王になるためには最も女性に愛されなければいけないのでしょう? 私などを気にしていては……」

「王などとうでも良い。マリア…君さえいてくれれば……」



ルートヴィヒは彼女の柔らかい髪に顔を埋めて言った



「ルートヴィヒ様……」

「ルーイで良い」



マリアの顎を持ち上げると、その唇にそっと口付ける



「ル……んっ!?」



開きかけた唇に王子の温かい舌が入ってくる



「ンンッ……」


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