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帰ってこない「愛」
第1章 決意
病院に到着し、ナースセンターで槇のいる号室を尋ねる。
「吉田槇はどの号室にいますか⁉︎」
「吉田槇様は408号室になります。」
「あ、ありがとうございます!」
「408号室は…ここだよね?」
病室の扉を開け急いで駆け寄った。
「槇ちゃん大丈夫⁉︎槇ちゃん…!!」
そこに槇の姿はなかった。
「なん…で……」
愛はその場で泣き崩れてしまった。
すると、病室に車椅子に乗った槇が現れた。
苦笑いしながら愛に告げた。
「愛ちゃん!ごめんね、こんな姿になっちゃった…。」
「…。」
愛は槇が生きていた事の喜びで涙が止まらなかった。
「良かった…槇ちゃん…」
「心配させちゃってごめんね。」
「ううん、槇ちゃんが生きていて良かった。」
調子に乗りながら槇が言う。
「僕が交通事故ぐらいで死ぬわけないだろ~」
「ばか。」
互いに抱き締めあい、数分後に槇は愛に衝撃的な事を言った。
「あのね?愛ちゃん…僕さ両親が他界していてアルバイトして頑張って暮らしてるのは知ってるよね?」
「うん。知ってるよ?」
「ここの治療費高くて…いまの僕が持っているお金でも払いきれないんだ…」
愛は槇の言葉に割り込むように話をした。