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第4章 トルキオの何でも屋ルミカ

「そう・・・、やっぱり悩んでるのね。」

ルミカが落ち込んでいるリョウのことをアイリに告げると、若いウェイターがホットコーヒーとアップルジュースを運んできた。
さすがにリョウが最後に言った問いかけのことは黙っていた。

適当に見つけた喫茶店の窓から見える空は、少し曇ってきたようだ。

「お家でも・・・ですか？」
ルミカがアップルジュースを一口飲み、呟く。

「ええ・・・、やっぱりボトムの方々を管理する、という仕事は大変みたいなの。あの人は心を鬼にできない人だから。」
アイリは伏し目がちにコーヒーにミルクを少し注ぎ、スプーンでゆっくりとかき混ぜる。

窓からの光を浴びながら溜息を漏らすその姿は女であるルミカですら美しい、と感じた。
と、同時にこの人には敵わないんだ、という諦めに似た感情も浮かんでくる。ルミカはそれが顔に出てやしないかと慌てて言葉を発した。

「・・・今の職について半年でしたっけ？」

「ええ、ちょうどね。それ以来、供出の質は上がったと評価はされてるみたいだけど、その分恨まれることも多いから。」

二人の間に沈黙が訪れると、流れていたゆっくりとしたジャズが際立って店内に充満していく。