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いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
 


「……陽菜?」


――陽菜、お父さんがわかるか?


 声まで蘇る。

 違う。

 これは朱羽だ。

 
「大丈夫か、顔が真っ青だぞ!?」


――気持ちよくしてやるからな。


 ……朱羽はあたしを傷つけない。

 朱羽はお父さんとは違う。

 あたしは、朱羽を信じているから。


「大丈夫。大丈夫だから、朱羽……いいよ?」

「でも……」

「大丈夫、あたしを……朱羽のものにして?」

「陽菜……」


――陽菜。


「お願い、朱羽。あたしを過去に打ち勝たせて!」


――お父さんのは気持ちいいか?


「朱羽が好きなの。朱羽に繋げて貰いたいの。あたしのバージンは、朱羽に捧げたいの! お父さんじゃなく!」

 朱羽の瞳が揺れているのは、あたしがなにと戦っているのかわかったからだろう。

「上書きして、朱羽。あなたが欲しいの!」


 足を大きく広げられ、宛がわれたものが、窮屈な膣道を押し開くように、ぎちぎちと挿ってきた。

 その質量と窒息感に、あたしはうまく呼吸することができず、朱羽の首に抱きついた。

「……はっ、陽菜、俺の名前、を呼んで」

「朱、羽……」

 ずずんとさらに奥に進んでくる。

 乱した呼吸をする朱羽の顔が苦しそうで、朱羽の髪先から汗が滴り落ちた。

「ああ、俺はあなたの初めてを貰った。あなたと俺は、初めて、同士だ。好き合って、ぁあ……ひとつに慣れたんだよ、陽菜っ」

 さらに奥にぎちぎちと入ってきて、あたしも声を上げた。


――気持ちいいかい、陽菜。

 あれをリセットするの。

――痛いのはすぐによくなるから。

 あたしは朱羽だけに抱かれている。

 
「キ、ツ……、初めてはキツいな」

 朱羽が上気した顔で、苦しげに笑う。

「だけど、やめないよ。離さないよ。あなたは俺のものだ」

 そして、大きく堅いモノでゆっくりと膣壁を擦り上げながら、朱羽が最後まであたしのナカに入る。

 恥毛同士が触れあい、恥丘が朱羽の熱を感じた。


「陽菜……」

 繋がったまま、朱羽はあたしを抱きしめながら頭を撫で、そしてあたしを見下ろした。

 苦しげながら朱羽は微笑んだ。


「好きだよ、陽菜」
 
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