この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon

「あれ、衣里!!」

「なんなの、あのいいところで純粋培養されたようなあんたの彼氏。まるで昔の私みたいなんだけれど」

――そう、まず友達になろう、衣里。

 雅さんに言われて戸惑う私みたいに。

「友達というものはだな、まずはこうされた手のひらをパチンと叩くんだ、こういう風に」

 結城が笑って、むりやり上げさせた手のひらに自分の手のひらをぶつけた。そんなこと、私や陽菜にもしないくせに、やっぱり同性は違うのかしら。


 パシーン!!


 爽快な音が、不穏だった空間に広がる。

 雨雲を消し去ったのは、曖昧に流さなかった陽菜の勇気と、勝ち誇らずに結城に見せた香月の真摯さと、踏ん張って笑った結城の男気。

 今三人に広がるのは、見事な快晴――そんな気分にさせる、新たなる関係がある。


 もう愉快でたまらない。

 なんなのこのオチ。

 
 結局結城のあの天真爛漫な笑い顔を引き出したのは、恋敵っていうことか。

 まあいいけどさ、昨夜は結城のおごりだったしさ。あんな結城の姿、私……黙っててあげるから。楽しければいいね、男の友達。


「……まだ、専務にはっきりと返事してなかったけど、俺の大事な友達であるお前らには先に言っておくわ」


 結城がいつもの調子を取り戻して言った。

 すっきりした顔をしているのは、結城なりの心の整理が少しついたのだろう。


「俺、社長……精一杯頑張ってみようと思う。……力を貸してくれ」


 私達は返事の代わりに、笑いながら結城を手で叩いた。さすがに香月は笑うだけだったけれど、結城と握手している。


 ――そうこなくっちゃ。

 結城のはったりで忍月の連中を黙らせて、雅さんの会社をなんとしてでも守ろうと、そう皆で誓いあった。


 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ