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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
  

「もっと……俺に惚れろ、陽、菜っ」

「……っ」


 朱羽の舌に酔い痴れると同時に、じっとあたしを見て深いキスをする朱羽の目の強さに、快感が全身に広がっていく。

「……は、ぁっ……」


 朱羽の唇が首筋に落ちると、ぶるりと身震いをしてしまった。

 朱羽とは沢山セックスをしているのに、初めてするような緊張に身が強張る。肌に唇を当てられる度に、あたしは甘い声を漏らしながら、身体を震わせた。

 突然朱羽があたしの腰に両手を回して、抱きついてくる。


「……俺まで、緊張してきたじゃないか」

「緊張……?」

 朱羽の熱と匂いに息を乱しながら尋ねる。

「なんでそんなに可愛いの?」

 朱羽が下から見上げてくる。

「いやらしいのにそんなに可愛いなんて、反則」

 その顔が僅かに赤いのは、太陽のせい?

「絶対あなたを離さない。俺だけのものだから」

 朱羽があたしの唇に指先を沿わせる。

「あなたが俺を愛してくれるっていうだけで、俺の力になる」

 その指があたしの唇の奥に差し込まれ、舌を絡ませながら、ゆっくり抜き差しされる。

「それだけで、俺は……今までに意味があったと思える」

 朱羽の手がバスローブの襟から胸の柔肉を揉んできた。

「ん、ふ……んんっ」

 いやらしく絡む舌と指。

 舌も性感帯だと知った時には既に、あまりの気持ちよさにあたしは喘いでいた。

 それでも、朱羽を恋しい気持ちも溢れるあたしは、口と胸にある朱羽の手首を掴んで離した。

「……今度は、朱羽を愛させて?」

 朱羽の濡れた瞳が揺れる。 

「あたしの全身から、朱羽がこんなに好きだっていうことを感じて?」

「……っ」

「好きなの。今度はあたしが朱羽を愛したい」

 あたしがなにをしようとしているのかがわかり、朱羽は迷っているように目を泳がせた。


「好きだから、触れたい――」


 朱羽の母として、恋人として、すべての愛で朱羽に触れたい。

 
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