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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 

 上気して、蕩けている顔――。

 ああ、朱羽が感じてくれてる顔だ。

 恥じらうようにして伏し目がちにし、長い睫を小刻みに震撼させるその仕草が愛おしくて、微笑みながらちゅっちゅっと音をたてて耳朶を舐め、何度も好きだと呟いた。

 朱羽の首から鎖骨に舌を移動させた。

 汗ばんだ肌は紅潮している。

 朱羽に汗を流させるほどに愛せば愛すほどに匂いは濃厚になる。

 朱羽のフェロモンの強さに秘部を濡らしながら、鎖骨にじんわりと浮かぶ朱羽の汗を舌先で掬い取る。

 そんなことをしていると頭がピンク色になって、朱羽の匂いを嗅ぎたくて仕方がなくなって、くんくんと鼻を鳴らして、朱羽の首元に鼻をつけてしまう。

「……こら」

 朱羽が笑いながらも、あたしを抱きしめるようにして、頭を撫でてくれる。

「朱羽が感じる度に、すごくえっちな匂いになってる」

「そりゃあ陽菜が愛してくれるなら。陽菜もえっちになってる?」

「うん、朱羽が感じてくれたらすごく。もっとえっちになってね」

 かろうじてとめられていたバスローブの紐を解き、バスローブを両側に開く。

 着やせする裸体が現われる。

 細身なのに、しっかりと筋肉がついている。


「なんで陽菜が真っ赤になるの。いつも見てるだろう?」

「だって……、ドキドキするもの」

「はは。だったらドキドキしてもっと好きになって? あなた好みの身体にして。俺を離せなくなるように」
 
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