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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
***
「朱羽……」
伊達巻きを作っているあたしを、朱羽はエプロン姿のあたしのウエストあたりに手を組むようにして後ろから抱きしめ、首や頬や、キスの嵐だ。
「危ないから、座って待っててよ」
「駄目。あなたの腰がしばらく立てなかったんだから、俺があなたのコルセットになってるから。だから気にしないで?」
「……コルセットは、そんなにいやらしいキスをしない!」
「いやらしいってどんなの?」
「……っ」
「大目に見ろよ。あなたが俺の家で、朝食作ってくれるのが嬉しいんだって」
朱羽は、ひとつに結んだあたしの髪をひょいと手で上げ、ちゅうと音をたててうなじに吸い付いてきた。
「ひゃっ」
「好きでたまらないひとが、少し前までは俺のベッドで俺とたくさん愛し合ってて、今度は可愛い格好で俺の家のキッチンに立って、食事を作ってくれるなんてたまらない」
むわりと漂う朱羽のえっちな匂い。
「なぁ……このまま、ここに住めよ」
耳に吹きかけられる甘い息。
「俺と暮らそう? この家大嫌いなんだけど、それでも俺の家である限り、ここからあなたを出したくないんだけど」
「……っ」
「あなたの匂いが残るベッド、俺、もうひとりで使えないよ」
朱羽はあたしを抱きしめて揺らす。
「ここに住んで? ずっとふたりで夜を過ごそう? 俺の愛を受けとめてよ。まだまだ想いが溢れて、苦しいんだ」
「……。朱羽坊ちゃま、料理ができません」
「料理するの嫌なら、俺作るよ。だから、なぁ……」
「甘えっ子だなあ、朱羽は。最初の眼鏡キランはどうしちゃったのよ」
朱羽の頭をいい子いい子と撫でる。
「あれは営業モード。今の俺は素で、陽菜に甘えたいの」
「まっ、朱羽坊ちゃま、お子ちゃまみたい」
「……子供扱いするなら、今ここで抱くよ?」
揶揄すると、朱羽がむくれた。