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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 


「俺、漢字弱いのに!!」


 あたしだってそうだよ、結城。

 魚介類を表わす漢字で、話すに値する人間かどうかを試されるのは癪だけれど、だけどあたしはやり抜けたい。

 頑張ろう、皆!!


「開始!!」


 よし、昨日(今朝)、朱羽と行ったスーパーを思い出せ!!

 そこからあたしの自問自答が始まる。

 あのスーパーでなんの魚を買った?

 ……競争率が高い"鮭(さけ)"だよ。

 他に思い出せるのは?

 たらこ。……ひらがなだよ。

 あ、つまみにあった。

  "鱈(たら)"

 ……鱈のお寿司なんて聞いたことないけど。

 定番のマグロは!?

「……思い出せん」

 マグロはマグロだ。あたしにとってあの赤肉の魚は、ひらがなかカタカナだ。

 あたしを含め皆がうんうん唸る中、朱羽と衣里はさらさらと書いて提出。

「はい、おふたり正解。13個ずつなんて凄いわね~」

 板前さんが作った13種の寿司を、おりに入れて貰ったらしい。

 あたしの横でむしゃむしゃと食べている。

「……くそっ、俺の横で食うなよ、香月!」

 耐えきれなかったのは、あたしと反対側に座る結城だった。

「すみません、お腹すいていたもので」

「俺もすいているんだよ!!」

「……参ったな、こんなに魚の"味"がいいのに」

「もう黙れよ!」

 ……ん?

 なんで味を強調した?

 ……あじ?

――参ったな、こんなに魚の"味"がいいのに。

 魚のアジって、魚編に参る?

 よくわからなかったけど、朱羽がわざと口にしたのは意味があると信じて、"鯵(あじ)"と書いた。


 次に杏奈が立ち上がり、名取川文乃のところに赴いた。


「はい、九つ、おめでとう。画数多いのばかり凄いわね」


 画数多い魚介類ってなにかも思い浮かばない。

 魚へん、魚へん……。

「こぉら、木島。花が生えてるよ」

「呆けてないで!」

 衣里と杏奈の声。

「思い浮かばないっす!」

 なんで衣里は、花が生えるなんて突然言い出したんだろう。

 呆けるという杏奈の表現もなにかしっくりこない。

 魚へんに、花?

 ほうけてないで、ほうけ……ほっけ?

 "𩸽[魚へんに花](ほっけ)"、と書いた。

 正解かどうかもわからない。
 ただ意味ありげな同僚達の会話を信じるだけだ。

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