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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第3章 つわりの洗礼
「大丈夫?」
大量の吐しゃ物で今泉のパジャマを汚してしまった。
「ちょっと…冬。」
春が飛んできて今泉のパジャマを拭いた。
…ごめんなさい…。
落ち着かない吐き気に慌ててシンクに戻ったが、小さな吐き気の波は続いた。
「ごめんなさい。すぐ…着替えを…。」

少し落ち着き今泉の服をと思い、リビングに戻ったが再び吐き気が襲ってきて、キッチンへ逆戻りした。

「トーコさん…大丈夫だから。僕は気にしないで。」

…大好きな香りだったのに。

春が今泉の新しい洋服を出しに走った。

「静さん…お風呂入って。本当にごめんなさい。」

冬はキッチンから声を掛けた。騒ぎを聞きつけて、小鳥遊が起きて来た。

「どうしたんですか?朝から騒がしいですね。」

そろそろ起こさなければならない時間だったが、すっかり忘れていた。

「あなたもうお給仕しなくて良いから寝てなさい。」

春が大きな声でキッチンで吐いている冬に声を掛けた。

「寒いのに窓を開けたりしてて大丈夫ですか?」

小鳥遊は小さな吐き気が襲うたびにシンクの上に覆いかぶさる冬の背中を優しく撫でた。

「あっ…でもガクさん…来たら…駄目。」

冬は手を挙げてそれ以上自分に近付かないようにとジェスチャーをしたが、一向に構わず、小鳥遊は背中を擦りつづけた。悪阻に苦しむ妻は、心配だったが子供が出来た兆候が目に見える形で現れた事に小鳥遊は幸せを感じた。

冬は吐き気の応酬に身構えた。
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