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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第4章 贖罪
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「今泉君から聞いた時には驚きましたよ。」
小鳥遊と藤田がふたりきりで酒を飲むのは初めてだった。
「ええ…説明しても理解して貰えないので、医局の誰にも言ってないんです。」
「だから、結婚式の時に、今泉君も来ていたんですね。」
藤田は笑った。
「シズ…あ…今泉先生から産前休暇を頂けると聞いて驚いていたんです。本当に助かります。」
小鳥遊は頭を下げた。
「今は…大丈夫でも、これから先色々と大変だと思いますよ。」
藤田は日本酒を飲みながら言った。
「僕もね…あなたと似たようなことを、もう10年…しています。今泉君には話したんですけれどね。」
藤田は小鳥遊をじっとみた。
「聞いていないんですね。」
「ええ…。」
今度は小鳥遊が藤田をじっと見る番だった。
「僕はね…妻の他に…愛人がいるんですよ。」
…愛人。
「その人は、僕と養子縁組をしているんです。」
小鳥遊はびっくりした。
「あ!藤田ってもしや…一昨年までここにいた、外科の藤田先生?」
「はい。」
藤田は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
外科の藤田は、小鳥遊よりも2つほど下の物静かな男だった。看護師からも人気があり、時々女性とも噂になったが、独身を通していた。麻酔科の藤田と外科の藤田は、ダブル藤田と呼ばれ、オペに一緒に入ることも多かった。
「でも…先生にはお子さんがいらっしゃるとお聞きしましたが…。」
今泉が藤田にも色々事情がある…と言っていたのは、このことだったのかと小鳥遊は思った。
「はい。妻よりも恋人との交際の方が長いんです。付き合いを始める時に妻にカミングアウトしたんです。それでも彼女は了承してくれたんです。」
「そうだったんですか…。」
二人の間に暫くの沈黙が流れた。
「これからも何かあったら今泉君に話すように伝えてあるんで、遠慮なく相談して下さい。」
「はい。今日はあなたとお話出来て良かったです。」
小鳥遊は藤田に再び礼を言った。
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小鳥遊と藤田がふたりきりで酒を飲むのは初めてだった。
「ええ…説明しても理解して貰えないので、医局の誰にも言ってないんです。」
「だから、結婚式の時に、今泉君も来ていたんですね。」
藤田は笑った。
「シズ…あ…今泉先生から産前休暇を頂けると聞いて驚いていたんです。本当に助かります。」
小鳥遊は頭を下げた。
「今は…大丈夫でも、これから先色々と大変だと思いますよ。」
藤田は日本酒を飲みながら言った。
「僕もね…あなたと似たようなことを、もう10年…しています。今泉君には話したんですけれどね。」
藤田は小鳥遊をじっとみた。
「聞いていないんですね。」
「ええ…。」
今度は小鳥遊が藤田をじっと見る番だった。
「僕はね…妻の他に…愛人がいるんですよ。」
…愛人。
「その人は、僕と養子縁組をしているんです。」
小鳥遊はびっくりした。
「あ!藤田ってもしや…一昨年までここにいた、外科の藤田先生?」
「はい。」
藤田は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
外科の藤田は、小鳥遊よりも2つほど下の物静かな男だった。看護師からも人気があり、時々女性とも噂になったが、独身を通していた。麻酔科の藤田と外科の藤田は、ダブル藤田と呼ばれ、オペに一緒に入ることも多かった。
「でも…先生にはお子さんがいらっしゃるとお聞きしましたが…。」
今泉が藤田にも色々事情がある…と言っていたのは、このことだったのかと小鳥遊は思った。
「はい。妻よりも恋人との交際の方が長いんです。付き合いを始める時に妻にカミングアウトしたんです。それでも彼女は了承してくれたんです。」
「そうだったんですか…。」
二人の間に暫くの沈黙が流れた。
「これからも何かあったら今泉君に話すように伝えてあるんで、遠慮なく相談して下さい。」
「はい。今日はあなたとお話出来て良かったです。」
小鳥遊は藤田に再び礼を言った。
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