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壊してほしい
第1章 拾った女の子
『何か訳ありなのかなと思って』
『………………』
雫石は俯いたまま。
(傷つけたかな?)左側に座る雫石をチラッと見る。
『………私………
ずっと家に帰ってないんです』
雫石が言いづらそうに口を開いた。
『ずっと?』
氷月は身体を雫石のほうに向けた。
雫石が頷く。
『もう……2年くらい』
『………は?
親は?学生証に白百合学園高等部2年ってあったけど』
『エスカレーター式で、幼稚園からずっとだから。
高校生になった時に……』
雫石が言葉を切る。
そして顔を上げて毅然と氷月を見据えた。
『お世話になったのだし、ちゃんとお話します。
私、両親と妹の4人家族なんです。家は学生証の住所通り隣のY区にあります。調べてくださっても構いません』
ハキハキした話し方に気圧される。
が、真剣さが見て取れた。
『………………』
雫石は俯いたまま。
(傷つけたかな?)左側に座る雫石をチラッと見る。
『………私………
ずっと家に帰ってないんです』
雫石が言いづらそうに口を開いた。
『ずっと?』
氷月は身体を雫石のほうに向けた。
雫石が頷く。
『もう……2年くらい』
『………は?
親は?学生証に白百合学園高等部2年ってあったけど』
『エスカレーター式で、幼稚園からずっとだから。
高校生になった時に……』
雫石が言葉を切る。
そして顔を上げて毅然と氷月を見据えた。
『お世話になったのだし、ちゃんとお話します。
私、両親と妹の4人家族なんです。家は学生証の住所通り隣のY区にあります。調べてくださっても構いません』
ハキハキした話し方に気圧される。
が、真剣さが見て取れた。