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壊してほしい
第1章 拾った女の子
雫石は眉間にシワを寄せた。
『襲われるもなにも、
昨夜しちゃってるじゃないですか』


『だよな。
ごもっとも……』


(ダメだ……
女子しかも未成年女子高校生なのに)


――欲しくて堪らない。


祖父が居たらさすがに叱責されるだろう。
殴られて追い出されるかな。


『……タバコ………
って美味しいんですか?』雫石は氷月が咥えているハイライトを指差した。


『え?
いや、美味しいわけじゃないけど……』


『どんな味?匂い?
1本吸わせてください』
雫石が小箱に手を伸ばす。


『ダメダメ!
未成年にはダメ』
小箱を握ってポケットに仕舞う。


雫石がむうっとむくれた。

『…………ぶっ……
はははは!』


『何ですかっ』


『むくれたり拗ねたりが面白くて。
は〜〜〜笑った……
雫石、むくれた時と食べ物食べてる時が全く同じ顔』

『え、そんな訳ない!』
雫石が怒って立ち上がる。『ごちそうさまでしたっ』と空の食器を洗い始めた。

『怒らない怒らない。
……試しに吸ってみ』
氷月はカウンター席から向かい側にある流しに立つ雫石に吸っていたハイライトを渡す。
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