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壊してほしい
第1章 拾った女の子
『………ん……』

『雫石…………』

雫石を抱き締める。


ところどころ解(ほつ)れて傷んだ調理服に、
雫石の髪がふわりとかかる。



はた、と気づいて雫石を押し戻した。

『あー……ごめん、
昼間っからこんなこと………』

目を反らした。


『ううん…、
私もしたかったから大丈夫』


『は』


雫石は頬を染めて恥ずかしそうにしつつ、
氷月をじーっと見る。


『……あのさぁ……
1人暮らしの男にそういう反応しないほうがいいと思うよ』


『え、何でですか』


『………いや………
勘違いして本当に襲われる可能性あるよ?』
氷月はタバコを取り出して火を点けた。


落ち着かない。
照れくさい…。

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