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第6章 急かされて旅立つ

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　部屋に戻った俺たちが、まず初めにしたこと。それはパソコンのネットへの接続と、『天野ふらの』『目撃情報』というワードでの検索であった。

　結果――


「この画像――今日の買い物の時の……」


「ああ。そして、もう結構な話題になっているらしい」


　ＳＮＳで投稿されたその画像は、既にかなりの拡散をみせている。その勢いは、ネットニュースにも取り扱われるほど。すなわち、その信憑性が高いと判断されているのだろう。

　件の画像は、真の立ち姿を右側より撮影したもの。横にはあのカップルが話していたように、顔の部分が真の陰に隠れている男の半身も映り込んでいる。言うまでもなく、それは俺だった。

　それがいつ、どの瞬間に撮られたものなのかは、すぐに判明している。真の派手な出立は、つまり太田や亜樹と遭遇していた場面。おそらく、期せずして笑い出した俺が、周囲の注目を集めてしまったタイミングだ。

　服装も然ることながら、あの時の真は大きなサングラスで顔を覆い隠している。それ故にその存在は際立っていたとしても、その正体を悟られることはなかろうと、それは俺の油断だった。

　正面にいた太田たちは気づかなくとも、却って何気なく横目に眺めていた通行人の中にピンときた者がいたようだ。実際その画像も、サングラスが邪魔になりにくい角度から、真の横顔の特徴をそれとわかる程度に的確に捉えている。