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ホントの唄(仮題)
第9章 対峙して、知るもの

 このまま真の口で果ててしまいたい気持ちと、そんな自分を情けなく思う気持ちがせめぎ合う。今の情勢は五分五分――というのは嘘で、実際は(よくても)九対一くらい。俺の威厳やプライドの類は、ゴミ箱にでも放り込まれる寸前だ。

 そうは言っても、反撃に出る気力もなく。というか、朝からそんな風にしてしまえば、今日一日もう動きたくなくなる。

 カーテンの隙間から差し込む陽射しからすれば、天気は恐らく快晴だ。こんなことしていて、どの面下げてお天道様の元に出て行かれようか。きっと、罰が当たるのでは……。

 とにかく、真のペースにハマってしまうのも酌だ。そう感じた俺は、腕を伸ばして枕元に置かれた携帯を手にする。

 それを、肉棒を執拗に咥え込む、真に構えて――


「止めないと――撮るからな」


 と、脅してみる。が――


「んっ? ――いいけど」


 真はまるで意に介さず。それどころか亀頭の敏感な箇所に舌を這わせつつも、視線を携帯の方にパチクリと向けた。


「いいのかよ。流出させるぞ――人気歌手」


「そしたら――オジサンのコレも流出だね」


「……」


 確かに……と、妙に納得させられ、俺はカクンと脱力。大体、何が哀しくて自分のビンビンな局部を撮影しなければならないのか。まあ初めから、そんなつもりはないんだけども……。

 そんな世界一どうでもいいことを考えながら、携帯をヘッドボードの上へと戻そうとした時だった。


 ――プルル、プルル!


 その見知らぬ番号からの着信は、その時が最初となる。
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