この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第10章 想い、知らされて

 目指した先は、北アルプス。登山口のあるバスターミナルに到着した頃には、もうすっかり陽も高い。だが既に標高2500Mを超えると、肌を撫でる風は殊の外涼しかった。

 良く晴れ渡った天候は、最大の救いである。そうでなければ、この無謀な登山初心者を山が迎え入れることはなかろう。


「オイ、真。その恰好じゃ駄目だ。ズボンを履け。あと上も――」


「えー、だって。それだと、ジャージしかないじゃん……」


「ジャージで、なにが悪い」


「あーあ、だからさぁ。それなりの服買いに行こうって、言ったのに」


「山ガールか、お前は! 恰好なんてどうでもいいから、とにかく着込んでおきなさい」


 まるで、お母さんのような口調だな……。


 不平を漏らす真を適当に宥め。レストハウスで遅めの朝食を済ませると、俺たちは幾つかある道より二時間強で山頂を望めるルートを選び、山道を登り始めていた。


 砂利を引きつめられた登山道は、初めに俺たちを緩やかな傾斜で迎え入れてくれる。広く開けた視界が、とても開放的だ。

 行く先には幾つかの登山者のグループが、各々のペースで頂を目指しその歩を進める。比較的楽なトレッキングコースであることから、年配者の姿も多い。既に下山して来る人々は、御来光を目的としての登頂であろう。


 ともかく、胸に吸い込まれる空気が違っている。山々の雄大な景色を目にしていることもあり、次第に清々しい気分になるのも自然なことであった。


/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ