この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第10章 想い、知らされて

 と、遠ざかって久しい自然の在りように、感動を覚えたのも束の間のこと。


「オジサーン! 遅ーいっ!」


 それは、遥か先から真が張り上げた声。一向に追いつかぬ俺を急かすように、両手を大きく靡かせ「おいで、おいで」と手招きしている。

 方や、俺はと言えば――。


「ちょ、ちょっとだけ……休憩ぇ!」


 はあ、はあと息を切らせつつ、手ごろな岩を見つけたのを幸いと、そこへ腰を下ろした。

 その刹那、遠くではあっても、真が浮かべたであろう呆れ顔がはっきりと見えた気がした。


「もうっ、またなのぉ! 日が暮れちゃうんだからー!」


 そう言うなって……。足手まといで、すまないけども。いや、ホントに……。既に大声を張り上げようとも、していなかった。


 きっと、こうなるって誰しも思っていたのではないか? いやぁ、だからこそ、このベタ過ぎる展開だけは避けたかったのであるが。そうは言っても、この中年の身体の体力低下には抗えないのだ。


 よし、来週から運動でも始めよう。あ、その前に職探しか……。


「……」


 大自然の雄大さに比して、俺は己の矮小さを痛感しているのだった。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ