この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
淫徳のスゝメ
第3章 私が最も華やいだ頃のこと



 まづるさんと過ごすようになってからだ。



 偶然同じ学科で会って、私を不登校から引きずり出したまづるさん。

 彼女の隣に憧れて、同じ空気に憧れた。私は私を知らない学友達、また、高校時分まで私に傅いていた学友達にも分け隔てなく接して、ありきたりな少女のように振る舞うようになっていた。



 無名の家系、成金に、思い上がった少しばかりの裕福層。生のどこに可能性を見出せるのか、理解しかねる庶民達。

 私にとって、彼女ら同世代の少女達は、とるにたりない生き物だった。裸体になって、初めて若干の役に立つ。





「昨日の家族ごっこは、いただけなかったわ」

「姫猫さんも?なんだ、私ばかりなじられて、二人とも意見一致だったんだね」

「ううん、……」


 私は、首を左右に振った。


 年長の男が絶対君主の家庭。そこでの女は、さしずめ美しい楽器に過ぎない。子供達は彼らの思想を吹き込まれて、彼らの理想に改竄される。失敗作は、懲罰を受ける。


 父親が正しいからだ。風刺の対象になるまでもなく、彼こそ自然を知悉している正当だからだ。

 

「お父様を、あんな風に揶揄すべきではないわ。それに私は、あの姉役の子のように、反抗的な態度もとらなかったし……」


 長女は、正しい父親に従う。母親よりも、妹よりも、長男よりも。誰よりも父親を深く愛して、生涯彼を信仰する。…………


「あんなに酷く叱られるなら、愚かな持論ばかりを語るお母様か、陰気で頭の弱いきよらだったわ……」



 私の唇が塞がれていた。

 幻のように甘く柔らかな、まづるさんの唇だ。
/403ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ