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第26章 結花の夢

「結花、俺と一緒になってくれ。」

龍が差し出した

「婚姻届」

それには龍の名前が既に記入されていた。

「はい…」

結花はゆっくり、ゆっくり返事をする。

じっと婚姻届を見つめる結花。

「あの、龍さん…」

「なんだ？」

「結花…本当に…
龍さんのお嫁さんになっても良いの？」

「あぁ、良いよ…
結花は立派な俺のお嫁さんだ。」

「う…ん…」


龍は次の日、

会社にて自分が結婚した事を

全社員に報告した。

社員は

「社長！！やっと結婚できましたね？」

「奥さんを大切にねぇ！！」

「浮気したら…
俺達が許さないぞ！」

「結花ちゃん…
お・く・さ・ま・？」

結花は龍の横で真っ赤になっている。

「社長、式はいつ挙げるの？」

「それがな…
あのなぁ、結花と二人で話し合ったのだが…
式は身内だけで…
披露宴は挙げない事にした。」

「え？なんで？」

「俺が披露宴をあげれば
皆に余計な負担を掛ける。
それにな…俺達はあの…
堅苦しい事が嫌いなんだ。」

「駄目！！」

社員全員が一斉にブーイング。

「分ってくれよ…」

「あのね、社長…
取引先には何て説明するのです？
我々に恥をかかす気ですか？」

「まぁ、そう…言うな。」

汗をかきながら龍は社員を説得する。