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結花の御主人様
第27章 誘拐
「た、大変だぁ!!」

「ん?」

昼寝をしていた健の元へ勇太が駆け込んできた。

「おや、お前は勇太…
どうした?
そんなに慌てて…」

「あ、不良の健!!」

「あのな…その呼び方…
やめろ!!」

健は勇太の襟首を掴んで持ち上げた。

「は、離せ!離せ!!」

「どん!!」

「い、いてぇ!!
こら、健、何をする?」

「だって…勇太が離せといった。」

「だからと言っていきなり離す奴がいるか?
いてぇなぁ…」

「ところで、勇太…
どうした?」

「あ、そうそう!!
健、美香ちゃんが!!」

「ん?美香ちゃんがどうした?
ははぁん…勇太、
お前、美香ちゃんに何かして
嫌われたんだろう?」

ニタニタと健が笑った。

「ち、ちがうぅぅ!!
美香ちゃんがさらわれた!!」

「な?何??」

健の顔色が変わった。

「俺と良太と美香ちゃんの
三人で遊んでいたら…
いきなり知らない高校生が
美香ちゃんをさらっていった!!」

「高校生?
何処の高校だ?」

「うぅん…わかんない。
見たことない学ランだった。」

「そうか…それで…
美香ちゃんは何処に?」

「何も言わずに強引にさらっていった。
今、良太が追いかけている。」

「そうか…
で、良太は何処へ?」

「北の隣町…」

「分った。
勇太、武に知らせろ。
俺は北の隣町に行ってみる。」

「うん、健、美香ちゃんを!!」

「心配するな。
美香ちゃんは必ず助けてやる。」

「頼むよ…」

勇太は泣きそうだ。

「男なら泣くな!!」

「うん…」
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