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結花の御主人様
第12章 総務課
結花は10日に一回、龍の

自宅に掛かる経費を計算して

龍の会社の総務課に出向く。

最初は慣れなくて間違いが多かった結花。

しかし、総務の優しい指導と結花の頑張りで

驚くほど短期間でこの仕事をマスターした結花。

今日も掛かった経費をまとめ

次の10日間の予算を貰いに総務課へ出向いた。

総務課には課長の敬三が総務を仕切っている。

50代前半の優しい中年だ。

しかし、仕事はきっちりとこなし

目立たないが安定した仕事ぶりは

龍の絶対的信頼を得ていた。

「お疲れ様です…」

結花が元気に挨拶して総務に入っていく。

「あ、結花ちゃん…
お疲れ様…」

ゆりが結花を出迎えた。

奥では優子主任が事務を執っている。

「ゆりさん、10日分の
社長の自宅での経費まとめて来ました。」

「あ、有難う…
結花ちゃんは仕事が速くて助かるわ。」

ゆりは書類を受け取るとそのまま

優子に手渡した。

優子はゆりをじろりと睨み

「ゆりちゃん、
結花ちゃんの作ってきた書類…
どうしてチェックしないの?」

「あ、主任…
結花ちゃんの書類はいつも完璧なんです。
ですから…そろそろノーチェックで。」

「駄目ですよ。
結花ちゃんを信用していない訳ではありませんが
きちんと確認はしないとね?」

「はい。
ごめんなさい…」

ゆりは優子に頭を下げた。
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