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《愛撫の先に…》
第8章 《レッスン―――…》
『何を考えている?』
『結城さん筆やめちゃ嫌…』
『愛撫を加えたら言いますか?』
菜々美は頷いた。

菜々美のせつなくてつらい想いからの潤む目。
結城の考え事は許さないとばかりに見据える鋭い目。

男物だけに彼女の肩のラインは出ていたが第2ボタンまでとめられて、
彼によりひとつボタンが外されると鎖骨が露になる。

首すじに毛先が触れると笑う菜々美だが鎖骨から隠れた、
胸の谷間へまっすぐかき混ぜるかのように細かい動きで中へと侵入すると喘ぐ。
『ひっ…やぁ…』
先ほどの繰り返しだと思っていただけに胸の谷間から伝わる快感は乳首がまた尖る程。

手が使えない為に肩をかすかにずらし快感を解き放とうとする菜々美。
結城は彼女の肩の側に手をついて更に毛先を谷間から左右の膨らみの中腹辺りまで動かしていく。

もう少しで毛先は乳輪へ届きそうなくらいだが、
わざとなのか谷間からでは届かない。

もう一度乳首にして!
谷間からでなく上から…
ううん化粧筆じゃ物足りない!

『もっと…筆じゃなくて…あの…』
目を細め哀願する菜々美に結城は口角をあげた。

『筆じゃお気に召さない?』
『ううん…だけど…疼いちゃう…癒してほしいの』
『筆に?』

『結城さんお願い…』
『お願い?』

『焦らさないでください』
『ふふっ…
言わないとしてあげません』

意地悪っ!
だけどサドっ気のある結城さんも好きかも…

『菜々美言わないと何もしませんよ』
『う…意地悪だわ…』
『意地悪?
俺は見てるだけで何も』

ワイシャツ1枚でフロントへ行かせた結城さんはサドっ気があると思ったけど、
今は更に意地悪だと思うの…

『言葉にしないとわかりませんよ?
初なだけに言えますか?
――さてと隣に移って寝る事にしよう』

そんな…
胸の疼きを抱えたまま眠れない…

『結城さんの…
結城さんの手で唇で胸の疼きを癒してください』
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