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《愛撫の先に…》
第3章 《胸の思い…》
行っちゃた…
食べてる途中でも席を移動しちゃえるの?
たしかあの声は営業部の…

1階の社員食堂から3階の企画部にエレベーターで戻り化粧室に向かう。
項垂れた後ろ姿の彼女に陽子が肩を叩く。

『開店したあの店なかなか良い味出してたわ〜。
どうしたの?
だから菜々美も誘ったのに〜』
『澤井くんに悪いから』

澤井遥斗(はると)とは高橋陽子の彼である。

『遥斗は気にしないわ。
っていうか高瀬に告白してあたし達以上にラブラブして一緒にご飯行こうよ。
………菜々美?』


……
………
菜々美は先ほどの出来事を話していた。
『「行かないで」って菜々美は言えないか…。
あたしが高瀬に話をつけてくるから告白しちゃいな』
そう言うが早いか陽子は営業部の2階に続く階段を降りていく。

いきなりの告白への展開に、先ほどまでの嫉妬やうらやましさは消えていた。

告白…
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