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第3章 《胸の思い…》

昼からの営業へ向かい終業ギリギリに戻ってくるという高瀬へ、
陽子はロッカールームで「早く早く」と急かすように菜々美を促す。

『高瀬さん好きですっ、つき合ってください』
異様にあがるテンションで菜々美は言いきった。

『いいよ、飯行く？』
告白など日常茶飯事だとでもいうのか高瀬の答えはあっさりしていた。

営業部の社員が行き来する中での告白でロマンチックではないけれど、
菜々美の心は急上昇だ。

『良かったね！菜々美。
邪魔者は帰るから』
栗色のショートカットがはねるように嬉々とした足どりで階段を降りていく陽子。
『陽子〜…』

釜飯処には１対１かと思いきや彼の同僚２人も同席し、４人用のテーブルで彼女には居心地が悪くて。
店を出て同僚は高瀬に目配せしニヤリと笑う。
『じゃあお先』

高瀬は同僚に笑顔で答え歩き始め、
目的地を見て菜々美は驚愕した。