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《愛撫の先に…》
第3章 《胸の思い…》
『にやにやしないでよ』

『何てメールするのかと思って〜』

『さっきは高瀬さんの彼女として堂々としろ…みたいな言い方をしたくせに。
あたしは結城さんの事なんか何とも思っていないわ』
『もったいないなぁ…と思って』
陽子は菜々美が結城に何て伝えるのか興味津々だった。
『もったいなくない』

遥斗とのデートがないこんな日にはお互いの部屋に泊まる、
そんな土曜日の夜にはリビングでベッドでの恋話は尽きないのであった。


スイートタイムのサイトはPCやスマホ・タブレット・2つ折りの携帯等様々な方法からアクセスする事が出来る。

だからこそ想いが伝わった女性達がクチコミで結城啓輔の予言の手軽さと、
結城の人柄とテクを称賛し広まるのだ。

【恋が叶ったら是非スイートタイムで2人の時間を………】

館内の部屋・リラクゼーション施設等の写真が貼りつけてある。

サイトは淡い赤と青のカラーでレイアウト・文字は黒で統一され、
ご意見ボックスなる書き込み欄・宿泊予約・宿泊レビュー欄。

結城の細やかな気配りがうかがえる。
だが結城本人へのアクセス方法が見つからない。

【会いたい!江崎菜々美】

迷う菜々美の代わりに陽子がご意見ボックスに送信していたのだ。

陽子〜…!

【会いたい?
…クスッ…君が忘れたモノを返してあげますよ】

笑うようなからかいの眼差しで書いたに違いない結城の返事が受信された。
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