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《愛撫の先に…》
第4章 《波紋…》
結城の舌が彼女の指と指の間に添い、指先を口内に入れ音をたてて吸われる。

じっと見ながら指を舐めないで…
落ちつかない…

目を閉じて身震いをする菜々美はかすかに溜め息をもらす。
指先を舐められているだけじゃないっ…
この震えの答えはなに?

『…うっ…』
彼がまた指先を吸った為に彼女はかすかに喘ぐ。

『感じましたね』
『か…感じてなんか…』
嘘…
指先さえも性感帯なの?
ううん…
高瀬さん以外に感じるなんてあたし…

そんな戸惑いを見透かしたように結城はパウンドケーキを自らの口にいれ、
食べるわけでもなく菜々美のあごに手を添えた。

『結城さ…?、!!?』

菜々美の唇に触れる甘い生地、
それが口内へと押し込まれるとフルーツとラム酒が広がった。

味わう数秒を待って彼の唇が口を塞ぐ。
『…あぅ…』

唇づたいに食べさせてはキスを繰り返され菜々美の顔は赤く染まっていた。

何故か夢見心地なの…
だめよ…
高瀬さん以外に感じちゃだめなの…

だけど彼女の手は無意識に彼の腕を掴んでいた。

優しくゆっくりと味わうような結城のキスは、
菜々美を落ちつかなくさせ夢見心地へと誘う。

『…もっと…』

『ん?もっと』

『……もっとキスして』

キスが欲しいの……
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