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《愛撫の先に…》
第4章 《波紋…》
『痛いだけのセックスは嫌――って菜々美はもう処女じゃないわ。
バニーの菜々美はおもちゃを入れられ感じていたじゃない』

菜々美は赤くなり空になったグラスを持った。
『カルピスなくなってる…持って』

陽子はおかわりはいいと首を振りソファーに座るよう手で示す。
『あの時菜々美のここは濡れておもちゃはすんなり入ったわ。
痛くはなかったはずよ』

『陽子ってばっ』

『ローションたっぷり使って高瀬が下手なんじゃないの?』
告白したあの夜の事を言っているのだ。

『上手い下手なんてよくわからない』

『そうね、
結城さんの時はローション使ったの?』

『ひんやりとしてぬるぬるするローション?
結城さんは指先だけで………あの』
具体的に言葉にすると彼女は先ほどよりも更に赤くなる。

『ふっ――
菜々美結城さんのモノが入ってくるまで初めてでも感じてたんだ。
上手い下手っていうのはそういう事』

『………』

『気持ちいいセックスの相手を見つければ?』

『資料室で助けてくれた高瀬さんを信じたい気持ちもあるの。
もう一度だけデートして答えを出したい』

『高瀬の性格を見抜けずに応援したあたしも悪かったわ、
菜々美の好きなようにすればいいわ』

『ん…聞いてくれてありがと』

菜々美がグラスを洗う後ろ姿を見ながら陽子は溜め息をついた。
『親友の決断を黙って見てるわけないじゃない』

陽子はサイトへ書き込みをし送信、だが返事は翌日であった。

【スケジュール次第で変更になる事も視野に入れていただきたい。
検討し詳細はまた後程】


菜々美の知らないうちに周囲はまわりはじめた。
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