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贖罪の檻。
第11章  快楽の多様性
  


「おやおや、月良だけの蜜ではないようですね。」


「っ、
(恥ずかしっ。)」


 引き抜かれた男の長い綺麗な指がヌラヌラと卑猥に蜜で濡れていた。その蜜は、自分と執事のもの。
 指がいやらしい自分を責め立てる。


「んぶっ。」


「ほら、舐めて綺麗にして下さい。」


 少女の口の中へ指を乱暴に突っ込んだ。
 その瞬間に少女がビクンと跳ねた。


 》 》


 世界が変わっていく。
 信じたもの、信じたいものを置き去りに多様性のなかで変わっていく。

 快楽に支配されてしまうことが何よりも楽で傷付かないのだと思い込んでしまう。

 外の世界の理<コトワリ>を歪められ信じられない現実を受け入れさせられて変わってゆく。

 頭が考えるのをやめてしまうのが、怖い。この現実を〝仕方ない〟と受け入れるのが恐ろしい。

 しかし突きつけられる多様性の中でもがき続けることも出来ない。
 流れてもいいと・・・言って。


  
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