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贖罪の檻。
第8章  忍び寄る欲望
  


「それは、判らないのですが探していますから妹さんのことはお任せ下さい。今は、状況を整理して乙女家とどう戦うかを考えませんと。」


 どうにか依頼人を現実に引き戻したい。


「いいえ。妹がどうしているのかどこに居るのかそれが判らなければ心配で〝なにも〟考えられません。」


 たった2人の家族。その行方が判らないことは、無言の圧力だった。


「明利さん。このままでは、マズいです。あちらの弁護士は、優秀ですし司法関係者にも懇意にしているようですし有罪にしようとしています。」


「妹を、妹を・・・探して下さい先生。」


「判りました。手を尽くします。」


 建設的な話しが全く出来ないままに接見は、終わってしまった。


 》 *


「・・・・・・ら、さま。」


「ん・・・・・・」


「月良さま。」


 肩を優しく揺らす。


「・・・っ!?」


 身体が揺すられていることに気が付き瞼を上げると瞳に執事の姿が映り驚いた。


  
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