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贖罪の檻。
第10章  玩具との戯れ
  


 秘書は、答えて報告書を差し出す。


「そうか・・・。処でお前は、今回の件をどう思っているのだ?」


「はっ、私ですか?」


「そうだ。意見をしてみなさい。」


 利害関係のない若い秘書に尋ねてみる。


「犯人は、別に居るのでは・・・と思っています。」


「そうか。理由を言いなさい。」


「はい。明利 良巳<ヨシミ>は、一見人当たりも良く穏やかに見えます。しかし・・・あの男は、立ち回りが上手く実に野心家です。」


「お前にもそう見えるか・・・」


「はい。」


「さて、どうしたものか・・・」


 報告書に視線を移してため息をついた。


 》 *


「んっ・・・」


 瞼を上げると淡いオレンジの灯りが目につく。


「お目覚めですか、月良さま。」


「・・・
(身体が、だるい・・・)」


 四肢が気だるく重い。


「お水を飲まれますか、湯あたりなさったでしょう。」


 ギシィ


「っ、来ないでっ!!」


  
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