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果てのない海に呑まれて
第11章 救い



今目の前にいるこの男は、不思議と怖くなかった



今日彼のことを少し知れたからだろうか−−−

それとも力なく自分を頼ってくるからだろうか−−−



“この人こそ救われたいのかもしれない”



ミゲルもニノも、彼に救われたようなものだ

そしてリリアも何度となく言われた



‘お前を救えるのは私だけだ’



と−−−。



一体何がそうさせるのか、彼は弱い者に手を差し伸べる





では、彼は?



彼自身は救われているのだろうか?






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