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果てのない海に呑まれて
第11章 救い



レオンはもう何も言わない

だがリリアには分かっていた

彼が心の中で泣いていることを−−−





「貴方を赦すわけじゃないけれど」

「……」

「私は貴方がどういう人間でどんな気持ちでいるのか知りたい」

「……っ!」

「自分がこれからどうするかを決めていく為にも」



レオンはリリアが、自分の心の奥に仕舞った願いに気付いたのだと理解した



そして今さらながら驚く

自分よりもずっとか弱いこの少女に縋っていたことに−−−。



「クッ…」

「……?」



冷静になってみれば、こんなに可笑しなことはない

これにはミゲルも呆れるはずだ



「本当に、どうかしているな」



レオンは落としていた頭を少し持ち上げリリアの耳元でそう囁いた



「……っ」



まともに息がかかりリリアの身体が微かに震える

レオンは意地の悪い笑みを浮かべ、そのまま唇で彼女の耳を食んだ



「ちょ…何もしないって……」

「気が変わった」

「なっ……」



求めたものを返してくれた少女

それは自分で願ったことなのに、実際そうされると少し負けた気分だ

その喜びと悔しさを以て、どうして彼女を愛でずにいられようか−−−


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