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果てのない海に呑まれて
第17章 細波



「その手は何かしら?」



そう言ってレオンに笑みを浮かべるリリアが指しているのは、未だ彼女の太股に置かれたままの彼の手。

いや、心なしか徐々に付け根の方へ上がってきているようなーーー



「分からないのか?

まぁ私に身を任せていれば自ずと……」



ダンッ



「……っ!」

「時間が無いのよね?」

「……地味に痛いぞ、リリア」



それでも足を踏み続ける彼女の笑みは、悪ふざけが過ぎるレオンについに堪忍袋の緒が切れたことを物語っていた

だがこれくらいで引き下がるレオンではないーーー



「昨日あれだけ物欲しそうにしていたんだ…お前も少しくらい期待しt……」



ダンッ‼



「……~~~っっ」



ーーーと思いきや、一回目よりも容赦ない攻撃に大人しく手を離した



「…まぁ船の中でたっぷり……」

「はい? 何か言いました?」

「いや、何でも。しかしお前にはまだまだ素直さが足りんな」



柱の影から出ながらレオンは呆れたように笑ってため息をついた



「貴方みたいな人に素直になれるわけないでしょう、変態」



リリアの冷たい言葉をミゲルが聞き付け、良い気味だと小さく笑う


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