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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)



どうしてだろう。
どうして俺はスクールバッグの底に付いたシミにこんなにも動揺してるのだろう。

恐る恐る手を伸ばし、スクールバッグの底に付いた小さな塊を爪で引っ掻いてみる。
下で手の受け皿を作り、軽く引っ掻いてみると塊は簡単に取れて手の上に落下した。

手の上に落下した塊を見ると、それは乾いて固くなった赤茶色の物だった。

「恭平、今バッグ触った?」

「え?いや、触ってねーよ」

動揺して声が吃る。
けど精一杯平然を装った。

スクールバスのドアが開き、みんなが順番に乗り込んでいく。
俺と慶太もスクールバスに乗り込み前の方の席を確保した。

慶太は窓際。
俺は通路側に。

背負っていたスクールバッグを肩から降ろし足元に置くと、慶太は窓に頭をつけて目を閉じた。

「俺ちょっと寝不足だから寝るね。学校ついたら起こして」

そう俺に伝えて寝に入った慶太。
俺は『おう』とだけ答えながら、慶太のスクールバッグを見つめていた。
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